Noriei is coming / 山内の視点

 

今年もまた、狂ったような暑い夏がやって来る。

 

店頭では、続々と初夏を意識した半袖モノが並び始めてきた。

まだまだ袖モノに縋りたい気持ちとは裏腹に、長い夏の準備が自ずと必要になって来る気温が少しずつ近づいている。

昨年の盛夏も、多くの反響を頂き、軽快かつ堅牢な靴作りをした、国内シューズブランドのNORIEIのグルカサンダルは記憶に新しく、長い夏の装い、これまでのNigel Cabournの夏の装いに良いエッセンスを加える事が出来た。

夏は専らスニーカーという方も、これまでにサンダルを履いて来ていないという方にも、革靴まで堅苦しく無いものとして重宝して頂いた。

 

そして、今季も仕入れました。

今季は完全なる"Exclusive"としての登場です。

 

 


 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

" Desert Sandal "

1950年代頃に熱帯砂漠地域で活動するフランス軍部隊に官給されていたモデルをオマージュしたNORIEIのサンダルコレクションの処女作といえる逸品。

原案のビンテージのそれは、レザーソールにヒドゥンチャンネル製法が用いられ、とても上品さがありながら、丁寧な作りなのだったが、いかんせん細く、日本人の足には馴染み難いという。

それらを改良するべく、ブランドに根付くフィロソフィーである、快適な履き心地を追求し、NORIEIらしい程良いボリューム感を加えた事で一躍有名になったモデルが、こちらのデザートサンダルである。

 

 

 

Model : Desert Sandal Exclusive

No. 80508662000

Colour : Taupe Suede

Size : 7(25cm) 8(26cm) 9(27cm) 10(28cm)

Price ¥ 36.300- intax

 

 

 

 


 

 

" Last No.10 "

NORIEIには様々に存在するモデルの中で、それぞれの原案や狙いに合わせたラスト=木型の開発にかなりの時間を費やし、作製されている。

前回に仕入れたグルカサンダルはNORIEIのインラインに存在するローファーのラストをベースに改良されたラストであり、包まれるような履き心地は片鱗を感じる事が出来る。

そして、今回のデザートサンダルは、全くの新しいラストをデザートサンダルの為だけに作り上げたものだ。

それはグルカサンダルや、他の短靴モデルとは異なり、アッパーを覆う部分が少ないデザインだからこそ、いかに足に沿って歩き易くするか、修正を繰り返し、完成したデザートサンダル用のラストである。

ラストの整形、中底の癖付け、足に沿うことを一番に考えられ、アッパーは中底をくり抜いて外に出して出し縫いにかけ、甲部分の革を漉くことにより、痛みが起きづらくする仕様と抜かりがない。

そんな足首と甲を支えるアッパーが、足を力強くホールドし、地面を豪快に掴む。長距離の移動には不向きなレザーサンダルのイメージを払拭している。

また、 ビブラム#8338を採用し、濡れた地面にも気兼ねなく履くことが出来、ヒール部分には衝撃吸収剤のEVAソールを形成する事で、アスファルトでもガシガシ履けるように配慮されている。

足入れをして、足裏に沿うインソールの厚みを感じながら甲にフィットした心地は、素足で履きたくなる、サンダルの醍醐味を間違いなく楽しむ事が出来るだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のExclusiveの独自性を司るものは、何よりもこの素材とカラーだ。

" Taupe Suede "

某ドイツのサンダルブランドで最も人気と言われているカラーを彷彿とさせる、グレーベージュのような絶妙なカラーがトープである。

 

遡る事、数年前に私自身がNORIEIが作る、独特のスエード素材に感動して始まった企画。

多くを所有してきたが、NORIEIのスエードは他社には感じない、毛足の長さ、不均一な力強さがありながらどことなく上品である事。そこに大きな魅力を感じていた。

それらの魅力は独自のタンニン鞣しにあり、様々なレシピを調整し、相当な時間を要し、自然の植物から抽出した鞣し剤を使用しているので、そもそもが持つ革の表情や風合いが残り、エイジングが生まれる。

使えば使うほどに艶が増し、色も深くなっていくので、革の成長を楽しみながら使うことが出来るのも何とも素敵だ。

最も時間と手間暇を掛けじっくり漬け込むことで真皮層まで植物タンニンが浸透し、これにより自然のままの風合いが残り、繊維がぎゅっと固く締まっている革が完成する。

そして、スエードの毛足を整える工程さえも通常は機械で行うのが一般的のようだが、これを一点一点手作業で行なう。

 

ここのレザータンナーは相当凄いな。

毛足が長いことから防水性も高く、かと言って個体によっては短いモノでも密度が高い事で堅牢性は備わっている。

ブラッシングが楽しみになる毛を起こす作業は自然と愛着に変わっていった。

金茶スエード、ブラウン、ブラック、グレー、どれも素晴らしすぎるスエードだ。

そんなスエードに惚れ惚れしながら、NORIEIのインラインに存在にしないカラーがどうしても欲しくなった。

NORIEIのディレクターである高梨さんにターゲットにした狙いや思想を共有し、それらを見事に調理した流石のディレクション力は、試作で仕上がったレザーを見て、漏れなく感服した。

前述のタンニン鞣しから、施す染料の調整は細かく行われ、特にトープという中性的な色味である事から何度もテストを重ねて着地させたカラーであった。

レザーの経年変化に協奏してトープカラーも変化をしていく道まで描けていて楽しみでならない。

 

 

 

 

 

 

春夏の履き物として、欠かせない存在となるのがサンダル。

私自身もNORIEIを愛用するようになり、夏の味方になるであろうと予感し、このモデルをいつかは仕入れをしたいと思っていました。

それだけ、シンプルで肌の露出が多く、足が美しく見える木型で作製されたサンダルは、ショートパンツは勿論の事、ロングレングスのパンツにも驚くほど自然と馴染む。

 

“ ETERNAL MINDS "

すべての工程に対して妥協せず靴を作り続ける。

その変わらない思いを持ち続けるという意味で、そのようなメッセージが全ての靴に刻印されていて、どんな装いにも奇を衒わず、相性が良いのも、そうした姿勢によるものだと教えてくれる。

 

渇いた空気、照りつける太陽、終わらない夏。

"サンダルらしく、いつの夏でも、気兼ねなくシューズのように歩行を頼れるもの"

問答無用に素足で履け、歩くたびに風が通り、湿度を感じさせず、通気性を持つ。

トープカラーの色味が、重苦しい顔を取り払い、軽快さと上品さも見事に原案の顔つきとマッチさせた。

 

つくづく、良い面をしている。

眺めていて、そう思う。

 

間違いなく、毎年の夏が楽しみになる。


 

山内

 

 

NORIEI DESERT SANDAL EXCLUSIVE は5/3(土)よりNigel Cabourn 福岡店、Nigel Cabourn ルクア大阪店にて発売予定です。

是非、この機会にご検討を宜しくお願い致します。

 

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