
今回の舞台は岡山県。2001年にオープンしたカレー専門店「QUIET VILLAGE CURRY SHOP(クワイエットビレッジ カレーショップ)」のオーナー夫婦、大岩 峰男氏と素子氏を訪ねた。
自分たちが、毎日食べたいと思えるカレーを目指して

「ポストカードに書いている“毎日カレーでもいいよ”は、私たちの想いそのまま。お客様に愛されるカレーを目指しています」(素子氏)
感動的においしいカレーとの出会いが未来を変えた

「そのカレーは、京都の自宅の近くにあった南アジア・ベンガル地方出身のバングラデシュ人の料理人が営むカレー専門店のもので、全く食べたことのない味だったから、驚くほど美味しかったんです」(峰男氏)
峰男氏は、趣味でスパイスカレーを作るほど大のカレー好き。その店に足繁く通っているうちに、自分もそのカレーを作ってみたくなった。弟子入りを志願すると、カレー店をやるなら教えてくれるとのこと。昔から峰男氏もカレー店を開きたいと思っており、熟考を重ねた上で、素子氏と一緒に彼の店で働くようになった。
「修行したといっても、実際は1ヶ月程度なんですよ(照)。というのも、店主は背中で語るタイプの人で、細かいレシピもなくてね。どんなスパイスを使っているのか知りたくて、スパイスの入った容器を見ても、汚れていたり禿げていたりして文字も読めない。二人とも飲食業界の経験はありませんでしたし、見よう見まねで調理方法を習得したんです」(素子氏)
店の前から店を出るまで“口福”な時間が続く場所

店内はカウンター席のみのコンパクトな空間。アートや音楽に関してのフライヤーが無数に貼られた壁を横目に席へ座ると、客席より一段下がった場所で調理をする大岩夫妻と目線が揃う。

カレーを食べる時は、黄色いターメリックライスの土手を崩しながら各種カレーを別々に食べて、まずはそれぞれの味の違いを楽しむ。後半、三種のカレーソースや付け合わせを大胆にミックスすれば、重なりあう香りや旨味が絶妙なハーモニーを奏で、口の中が幸せで満たされる。
自分たちの味を追求して、誰かの元気も作れるように

「会社を午後から早退されようとしていた方が、ウチでランチを食べて、なんだか元気になったと言って会社に戻られたことがありました。仕事終わりに、カレーを持ち帰りたいからと、またウチに寄ってくれて。長い間やっていると、うれしい反応をいただけることもあり、それがやりがいにつながっています」(素子氏)
体になじみ動きやすい、服も飽きないデザインがいい

「3年ぐらい前に、ナイジェル・ケーボンのコットンシャツに出会って、それがすごく気に入っていて、色違いで何枚も持っています。今日着ているシャンブレーシャツは、そのシャツに比べると少し大きめ。初めのうちはデカいかな?と思ったけど、アームホールが大きくて腕の上げ下げがしやすいし、すぐに体になじみました」(峰男氏)

「気がついたら、キャップは素材や色違いで5つも持っていました。プライベートでも一年中被っています」
汚して洗うを繰り返して、自分色になる白い服が好き

「このパンツはゆとりがあって動きやすいですし、裾は絞って穿くと足捌きもいいから、かなりの頻度で穿いています。でも、白い服をカレー屋で着るなんて、すぐに汚くしちゃうって思いますよね? シミになる前に洗えばいいし、そうして自分だけのパンツになっていくのが好きなんです。実はターメリックの黄色は日光に当てると消えることが多いんですよね」(素子氏)
心と体の健康に気をつけて、お客様の愛に応えていく

「ウチのカレーを気に入ってくださっている方が一人でもいらっしゃるのであれば、それにちゃんと応えたい。健康に気をつけて、これからも日々カレー作りのために努力していこうと思っています」(峰男氏)
