
今回の舞台は岡山県。一昨年オープンした、お茶ができて本が読めて手紙の書ける花屋「plain Jane Jones(プレーンジェーンジョーンズ)」のオーナー、三谷 まいこ氏を訪ねた。
贈り主と一緒に考え、一緒に楽しみながら、花を贈る

「お花を人にあげるのって、楽しいですよね。お客様にもそう思ってもらいたいし、喜んでもらいたいので、ブーケを作るときは、お客様の気分やお相手の人柄なども伺います。ご自宅用のお花をお求めのお客様とは可愛いと言い合いながらお花を一緒に選んでいます」
私も含めた誰かのための3番目の場所になれたらいい

「私はこの店を私の城だとは思っていないんです。映画に出てくるジェーン・ジョーンズのような、当て所のない感情を抱えている人が気軽に来られる、誰かのサードプレイスになれたらいい。でも、お店もお客様と一緒に変わっていくものですし、お店の在り方にこだわりはありません」
2階の一室だからこそできるオーダーメイドの接客

店内は、三谷氏のお気に入りの品で満たされている。花のほかに、ご縁でつながった備前焼アーティストの作品や弟からもらったぬいぐるみなど。窓際のソファに座り、本を読んだり花に添える手紙を書いたりすることもできる。誰にも内緒で、こっそり行きたくなるような場所だ。

「買い付けるお花は毎回違うし、だいたい3日間ぐらいで全部売り切れるように仕入れているので、日によってお店の雰囲気はガラッと変わります。回転が早いので、お客様からウチで買ったお花は保ちがいいって褒めてもらえるんですよ。お花がそれぞれのご家庭でも有用であればいいなと思っています」
自分も花屋の一部として身なりや着こなしに気を遣う

「ステキなお花屋さんを通して、お花に興味が湧くことってありますし、当店の場合はSNSを見て来店される方も多いので、そのイメージを崩さないためにも身なりや着こなしには気を使っています。それにブーケ作りには、自分の内面も反映されてしまうので、気分良くいられる服装でいることって大切なんですよね」
軽さと心地よさにこだわりプライベートでもフル活用

「洋服は生地の面積が小さくて、軽ければ軽い方がいい! だから襟付きの服は苦手です(笑)。このナイジェル・ケーボンのシャツは、しっとりとしていてサスサス触りたくなっちゃう。営業中はシャツの袖は捲って輪ゴムで固定しています」

この日のボトムスは、〈ナイジェル・ケーボン〉のブリティッシュアーミーパンツ。三谷氏は、肌触りの良い生地でサラッと穿けるところがお気に入りなんだとか。ハサミやペンなど、道具はサロンのポケットに入れているが、作業に没頭するといつの間にかポケットの中は空っぽに。
「手を入れていると安心するので、ポケットのあるパンツっていいなって……あれ、なんでここにボールペンの跡がついてるんだろう(笑)」
ポンコツな完璧主義を貫き、花との関係を続けていく

「私の力量で、どれくらい花と関わっていけるのか確かめたいと思っていて、もしお店を続ける必要がなければ閉める心算でいます。それくらい自分を自由にしておいた方が、視野が広く保てて、可能性も広がる。ポンコツな完璧主義を貫き、これからも花との関係を続けていく予定です」
