
今回の舞台は福岡県。2010年にオープンした「Nigel Cabourn THE ARMY GYM FUKUOKA STORE(ナイジェル・ケーボン・アーミージム福岡店/以下、福岡店)」の岡本 瑞生を訪ねた。
販売員として、できるだけカッコいい自分でいる

「正直な話、仕事と子育ての両立が難しいと感じることもあります。保育園に子どもを送るだけで疲れますし、楽チンな格好で働きたいとも思います。でも、私の仕事は洋服を販売することなので、お客様からカッコいい!とか参考にしたい!と思ってもらえるように、できる限りのことをしたいんです」
接客中は販売員というより、お客様の友人気分で

「バーテンダーとして、カウンター越しにお客さまの話を伺っていたときの感覚は、今でも残っています。なかには、随分と永く通っていただいているお客様もいて。ランチに誘っていただいたり、洋服の展示会に一緒に行ったり、誕生日の時にかわいらしいポーチをいただいたり、プライベートの交流がある方もいます」
言葉だけでなく、売り場でもコーディネート提案

国道に面した入り口は全面ガラス張りになっており、ロンドン店をイメージしたダークグリーンのウィンドウフレームが目印だ。
店内は天井が高いワンフロアで、やわらかい日が差し込む開放的な空間。常連のお客様も多く、アットホームな雰囲気で買い物を楽しめるのが福岡店の魅力だ。

「ナイジェル・ケーボンはメンズの印象が強いので、女性にもブランドに親近感を持っていただきやすいように、洋服はコーディネートで見せるようにしています。配置はアイビーやミリタリーなどテーマ別にわかりやすく。月に3回はディスプレイを変えています」
好みの服を体型に合わせて自分なりに着こなす

「体が縦に長く見えるように、パンツはハイウエストのモデルを選んで、腰の位置を上げています。クルーネックのトップスを着たり、シャツの袖を捲ったり。首元や手首をチラ見せすると、ビッグサイズの洋服も、すっきりと着こなせます。あと、メンズライクな装いの日は、華奢なジュエリーを付けて上品さをプラスします。このリングもお客様とお揃い。ピンクとかハートとか、かわいいものも好きなんですよね」

「このオールドフレンチブラウスは、無骨さとかわいらしさのバランスがちょうどいいんですよ。一見ガーリーですが、フリルの先が切りっぱなしになっていて。大人の女性もラフに羽織っていただけると思います」
リアリティーを追求した古着ミックスでお出迎え

「好きな服をナイジェル・ケーボンの服に組み合わせた方が、お客様にとっても自分たちにとってもリアルなコーディネートだからいいんじゃない?って、店長の山本にアドバイスされてから、古着ミックスにも挑戦するようになりました。実際、お客様がナイジェル・ケーボンを着るときは、手持ちの洋服とコーディネートされますし、着まわしの参考なれたらうれしいです」
子育てで広がった視野を接客に活かしていきたい

「子どもができてから、自分の見る景色も着る洋服も変わってきたんです。娘の保育園で異業種のお母さんたちと出会い、ファッションの世界が広がりました。以前と比べていろんな立場の女性のニーズに寄り添えるようになった気がしていて。お客様には、あの時この服を買ってよかったなって思ってもらえるように、これからも販売員として頑張っていきたいです」
