ブログをご覧の皆様こんにちは。東急プラザ銀座店の桐山です。
今回はヴィンテージギャザードレスをお見せしつつ、私の大好きな服飾史について語りたいと思います!
服飾の歴史を調べていて、いつも思うことが「庶民のお洋服の記録が少ない」ということ。特に19世紀まで遡ると、貴族のお洋服がメインで紹介されていて、庶民がどんなお洋服を着ていたか…というのを調べるのにいつも苦戦しています。ある時気づいたのが、絵画で当時の生活風景を見ることができるということ。また、小説の一文からも衣服の貴重さなど想像できます。
中世以降、庶民のお洋服というのは服装を見ただけで身分が識別できたり職業が分かるようなものでした。基本的には生地は生地屋で購入し、仕立て屋に持っていき衣服を手に入れ、修繕を繰り返し、長く着ていたそうです。オシャレとはかけ離れていたと思いますが、日常の中で沢山の工夫を凝らし、様々なディテールが加わります。
ここからは、私の考察も入ります。このヴィンテージギャザードレスのモチーフになったと思われるのが、 19世紀から20世紀初期に牧畜業などの労働者が着ていたBiaude(ビュード)/ 別名:羊飼いのスモックと呼ばれるヴィンテージのワークウェア。これがモチーフなのでは…と考えてます。というのも特徴的なディテールです。肩の"Y字ガゼット"と"ギャザー"。これらのディテールは、中にシャツやニットなどを沢山着込めるようにするための仕様で、ビュードは汚れを防ぐためのエプロンのような役割でした。
小作農でよく使われていたカラーは、ブルーやグレーが多いです。汚れが目立ちにくく、日焼けが分かりにくいという理由です。そして工業化される前、白という色のほとんどは晒されていない生成り色だったと想像します。それらのカラーを取り入れたのが、ヴィンテージギャザードレスです。
私は悩みに悩み、ブルーと生成り色を購入しました☺︎
芸術の秋、読書の秋!
アートや本からお洋服を見てみてはいかがでしょうか。
ヴィンテージギャザードレスに関しては、特集も併せてご覧ください。
桐山
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