構想から早1年余り。
何度も試作とイメージを組み直し、作りたかった紳士服において間違いなく普遍的な1本。
”チノトラウザー”
この別注のイメージは何をしてても頭の片隅にあり、イメージを膨らませ、多くの資料を見ては参考にし、今日までやってきた。
そして、完成形に近かったサンプルから、起案した当初は浮かばなかったアイディアが湧いてきた。
何度も生産チームに迷惑をかけながらも、自分でも納得のゆく1本がようやく出来ました。
これまでのブランド史を振り返れば、Nigel Cabournは服好きを一瞬で満足させる英国製の生地やパーツを使用したインポート感を存分に感じられるAUTHENTIC LINEから、ワークウェアに特化した思想から紐解かれたLYBRO LINE、今をときめく独自の視点から成るスーツラインのOX'ED SILVER、そしてブランドの屋台骨と言えるモノづくりの根幹を担うMAIN LINEのJAPAN PRODUCUTと、本当に多岐に渡って、ブランドのアイデンティティーがブレることなく、他には無いものを時間をかけて完成させてきた。
特にこのMAIN LINEにおいての糸から作る習慣的な姿勢は、多くのお客様が日本のモノづくりの凄みや丁寧さ、日本が世界を代表する職人大国である魅力を存分に感じてこられたかと思う。
今回は、長きに渡ってこのブランドに携わり、定番と位置付けられているアイテムを私なりの解釈で、あくまで原案にあった背景の男らしい要素は濁さず、日常的に美しく付き合えるトラウザーを作りたく、定番ラインの” BASIC CHINO ”にフォーカスしたのである。
定番ラインのBASIC CHINOはまさしく、45KHAKIと呼ばれるアメリカ軍の所謂ミリタリーを出自にベースにし、そこにアレンジを加えて作製されたもので、サイドシームは2本針の片倒しのチェーンの縫製、尿素ボタン、バックポケットは片縁、腰から裾に至るまで迫力のあるワイドシルエットを形成し、しっかりと強度を持たせて完成されたもの。
私自身も長らく愛用し、このチノと云っても、正しくはユニフォームツイルと呼称されるウエストポイントの高密度クロスの素晴らしさには、どこかチノパンの中でも行き着くゴールのようにさえ感じる魅力を持っていた。
これまで各店のblogでも度々紹介されているように、確かな背景を持った計算し尽くした製織と拘った染色がされたウエポン生地を、BASIC CHINOのスタイルとは違うアプローチで、仕様、縫製、付属に至るまでドレスライクに振り切った、完全なる新型が本作である。
OSAKA SPECIAL / DRESS TROUSER と謳わせてもらった。
MODEL : OSAKA SPECIAL / DRESS TROUSER
COLOUR : BEIGE
SIZE : 30(W79) / 32(W83) / 34(W88) / 36(W93)
PIRCE : ¥ 39.600- (intax)
ミリタリーの流れを汲み、デザインソースのターゲットにしたのは所謂マッカーサーチノ。
ミリタリートラウザーでも、極めてドレス感もあり、日常的に馴染む美しいカジュアルさを備えている。
ドレスに振り切るべく、サイドシームは裾の仕上げがダブルやシングルでも可能になる割縫いに、腰帯は縫製が表に出ない挟み込みの仕様に、内側はマーベルトを配し、ベルトループはステッチも入れない袋状の顔に変え、7本だとカジュアルに映るので6本に変更し、後ろ中心に2本が配されるように配置さえこだわった。
生地の立体感から陰影が生まれる深いフロントプリーツ、片面のバックポケットは手の出し入れをスムーズにすべくボタン留めは無くし、囲いは丁寧な5mm幅の両縁仕上げで、両脇を支える閂も細やかにミシンが走るように指示を仰ぎ、美しく仕上がっている。
ボタンが無いからこそ、シンプルに見えるこの辺りの仕様の美しさは諦めたくなかった。
ボタンは愛してやまない AUTHENTIC LINE で使用されるナチュラルホーンボタンをこの為に取り寄せし、左側に鎮座するウォッチポケットにも見事にマッチしている。
そして生地から洗い加工を加えたことで、バリバリの手強さは無く、小慣れた表情に生まれ変わり、これ以上の縮みが出ないようにまで配慮した。
日常の、どのシチュエーションでも相応する万能な一本を求めた。
ミリタリーチノは太いが故にビジネスシーンまでは惜しくも及ばない、かと言って細過ぎては今のファッションのバランスにも合わない。
太過ぎず、でも動きやすく、見る角度にピントを合わせてスマートに見える美しい緩やかなパターンを見出した。
ドレスといえど、ビジネススラックスまでの堅さは避け、ミリタリーチノを着る方の男らしさが映るように、緩やかにテーパードするワイドテーパードのイメージを描いた。
ウエストに向かって極端に細くするのではなく、腰回りには少し余裕があり、2本の深いプリーツが容量を作り、そこから生まれる流れるようなカーブは、長年着用する事で膝が出てしまってもシルエットの繋がりを補うに十分なワタリがあり、しっかりとした強靭なウエポン生地が形を安定させている。
体型に関係なく、どんな方が着用しても美しく足を包む感じ。
サンプルが仕上がる度に変更し、裾幅の調整も最後まで疑問を持ち、何度も繰り返した。
計算した裾幅のおかげで、革靴でもスニーカーでも、これからはサンダルでもすんなり合わせられるように出来たと思う。
ZUKIさんが作る素晴らしい生地の特性、何度も変更しながら対応してくれた熟練のパタンナーさんの助けがあって、ようやく行き着いた。
Nigel Cabournならではの生地の逞しさ、安心出来る確かな質感、その強みを"美しく装う"。
これまでお待ちのNigel Cabournのパワーピースと合わせた、ワンランク上の落ち着きのあるスタイルを目指します。
こういうものが欲しかった。
そう思って頂けると思います。
これは、確実に使える。
間違いなく必要なパンツ、そこに誰もが気づいて欲しい。
山内
OSAKA DRESS CHINO TROUSER は 6/22 (土)にNigel Cabourn ルクア大阪店で発売予定です。
今回は、数に限りがあることから、店頭販売を優先させていただき、6/22(土)の営業終了後に残った数量を選定し、翌日の6/23(日)の12:00頃に 1415+2 ONLINE STORE にも掲載予定です。
是非、この機会にご検討を宜しくお願い致します。
続けて、Nigel Cabourn THE ARMY GYM LUCUA OSAKA STORE の公式LINEのOfficial Accountのご案内です。
下記のボタンをタップして頂くと、LINEの友だち追加ができます。
新規商品の入荷情報、各種イベントのご案内等の配信も行っております。
アカウント名は、”ナイジェルケーボン ルクアオオサカ” です。
是非、ご登録をお願いいたします。
またトーク画面にて個別でのご質問・ご相談なども随時承っております。
お気軽にご活用ください。
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Nigel Cabourn THE ARMY GYM ルクア大阪店
営業時間 (10:30 open - 20:30 close)
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・JR大阪駅3階 連絡橋口改札より、ルクアイーレ3F入口に直結