NC × SUNSPEL / 山内の視点

2024.05.11

"テーラーTシャツ"

そう呼ばれているほど、Tシャツの生産へのこだわりが群を抜いたブランドはここ以外無いと思う。

ふとイメージするTシャツの生産背景といえば、流れ作業の大量生産を目的とした工場が目に浮かぶが、ここに至っては1パーツ、1パーツを構築的に作る事に重きを置き、テーラードジャケットを作るように各セクションの熟練した職人が手作業で丁寧に作られている。

歴史を紐解けば、創業は160年前も遡り、1860年代初頭に誕生し、イギリスで最も歴史のあるアンダーウェアブランドとして君臨している。

そして、創業当初から現在に至るまで自社工場を保有し、縫製はもちろん、裁断、仕上げ、素材開発まで自社で行っている類稀なブランドだ。

そんなイギリス好きには堪らない背景満載のブランドとNigel Cabourn がコラボをすると耳にした時は気持ちが上がった。

ゴールデンウィークも終わり、気温が夏に向かって走り出した今に、最高かつ、最上の着心地が約束されたTシャツを紹介できるタイミングがようやくやってきた。

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SUNSPEL のお家芸と言える、超高品質のコットンを使用した細番のスーピマコットン。

スーピマコットンとは、ピマ種と呼ばれる超長綿の中で最高品質のアメリカ産の品種の商標名で、アメリカで栽培されている綿花の3％、世界で栽培されている綿花の１％にも満たないと言われており、そしてスーピマの認定を受けるには、厳しい品質審査を通らなければならいとも聞いたことがある。

上質なスーピマコットンは、優れた強度、柔らかさ、高い保色性を特徴として、また見た目が美しさを持つことから、SUNSPEL はスーピマコットンを用いたアンダーウェアを長年の間作り続け、イギリスを代表するアンダーウェアブランドとして、現在もイギリスの高級百貨店でも取り扱いがされている程、確かなステータス性を保持していると思える。

そんな最高品質と言われる圧倒的な生地の力が存分に表現されたそれは、まるでシルクのような滑らかなタッチを持つジャージー素材で、すぐに魅了された。

薄手ながら耐久性が高く、ガス焼きによって、綿糸の不純物や毛羽を取り除くことで面が美しく、しなやかな風合いとナチュラルな光沢を実現している。

粗野でヘビーなものが正義。

その考えは変えたく無いが、肌着においてはこのように表面が滑らかである事から、肌が擦れる事が無いために汚れや角質が付着しづらく、汚れが付いていたとしても洗濯すれば落としやすい性質を持っているという。

そういった事から、薄くても丈夫で、長きに渡って愛用することが約束されている。

それらの地力がある中で、Nigel Cabourn ならではのコラボと言える要素がある。

一般的なポケットTシャツであれば、平行均等に付けられるが、ミリタリーウェアにも用いられるアクセスがし易い、斜めに配置した胸ポケットデザインを採用していたり、袖においてもペンホルダーデザインのポケットが付けられた、Nigel Cabournらしい遊びがある。

そして、既存モデルのSUNSPELが展開している細身のフィットとは対極にあるゆったりとしたシルエット。

絶妙な落ち感のある肩傾斜。

このシルエットが抜群に良い。