また、素敵なものを作ってしまった。
前作のデニムにしろ、イメージした着地はゴールに近い完成度で仕上がったOSAKA SPECIAL。
ZUKIさんが生み出す生地の力は勿論の事だが、Nigel Cabournの優れたデザインチームのパタンナーさんのお陰で、ここまで高みを目指して来れた。
チノクロスにデニム、ブランドの力量を惜しみなく感じる事が出来る素晴らしいファブリックに、自分が理想とするシルエットとの相性を追求してきた今がある。
外気温は、30°。
そろそろ来たな、この気温。
狂ったような夏が間違いなく待ち構えている。
今年も長い長い夏が来る。
10月まで、長い夏。
そこをターゲットに絞り、見出したNigel Cabournの国内生産の真価を表したといえるファブリック。
" HIGHDENSITY LINEN "
高密度に打ち込まれた素晴らしいタッチをしたリネンファブリックは、これまでもコートやジャケットと重衣料にも使用されてきたほどの逞しいファブリックだ。
10数年前にワーカーコートとして誕生したこの生地を触った時の衝撃を忘れない。
こんなリネンがあるのか。
強さは握るだけで分かり、それでいて重く無い。
逞しくも細番手のリネン糸が丁寧にコーミングがされている事から、重々しさは無く、ハリ感と肌離れは見事としか言えず、間違いなくNigel Cabournブランドの国内生産らいんをワンランク上げた素材がこれだと振り返っても思う。
吸湿速乾性に優れたリネン特有の効果は、間違いなく長い夏に対応でき、心地良さを保つ機能さえ備えている。
この夏は、ショーツに逃げない。
OSAKA SPECIAL 第4弾の登場である。
MODEL : OSAKA SPECIAL DRESS TROUSER LINEN
No.8050050301
COLOUR : BLACK
SIZE(cm) : 30(W79cm) 32(W83cm) 34(W88cm) 36(W93cm)
PRICE ¥ 49.500- intax
今季の隠れたベストバイのMerz b.schwanenのKNIT SHIRTの透け感に抜群に呼応する乾いたリネンが心地良い。
仕立てはドレス仕立てのため、内側のマーベルトも帯は深めに取る事でズレが少なく、動いても容易に開いてこない深いフロントプリーツ、AUTHENTIC LINEで使用するナチュラルホーンボタンの採用、バックポケットは片面ポケットの両縁仕上げも抜かりはなく、こだわりは継続させた。
" BLACK LINEN "
同素材を使用してこのカラーをメンズに採用した事は一度も無い。
これまでのNigel Cabournの装いは、ネイビーやグリーンといったミリタリーやワークの背景を尊重したカラーのボトムスが目立ってきた。
勿論、デザイナーブランドが故にテーマによってはモノクロ要素にも触れたコレクションも記憶に新しいが、その流れでも、表現されるのはチャコールグレーといった最も難しいハードルを設けて、オーラのある服作りを続けてきてくれた。
それらの知見に敬意を払いながら、純粋なBLACKを求めた。
本来であれば、夏に避けるカラーだろう。
私の考えるファッションとは曖昧なもので、暑い時に暗いカラーを涼しげに装う事に惹かれ、寒い時に冷めたカラーを暖かに装う事に魅力を感じている。
冬のグレーな寒空の下、冷たい空気に美しい冷めたメルトンコートやツイードジャケットを着ている英国人を、旅先で見かけて羨む思いをしてきた。
そんな思想から、長い夏に涼しげに纏う、BLACKを着地に探した。
ZUKIさんの頭脳にある凄まじい生地作りのレシピから国内でどこで生地を織り、どこで染め、どこで縫うのか、工場の得手不得手を見極めながら地方を往々にして出来た生地がこの高密度リネンだ。
そんなこれまでの手解きを十分に頂きながら目指したカラーが、チャコールでも無く、グレーでも無い、生まれたての黒。
また、ポリエステルが入ったシャイニーなスーツの黒では無い、でもどこか気品のある鈍い黒。
その魅力を、美しいシルエットがエンジンを加速させる。
前回のデニムトラウザーは持ち前の生地厚から、自立する事でシルエットを構築した事に対して、本作のリネントラウザーは、リネン特有の揺らぎや動きから靡くことでシルエットを描くイメージ。
デニムトラウザーとは違う、夏の暑さを回避させる開放的なゆるやかなドレープを作れた。
接触冷感とも感じてしまうほど大満足の肌あたり、これなら大丈夫。
長い夏でも品位ある黒を中心としたスタイルを涼しげに楽しめる。
少しだけクッションを残した流れがとても気に入っている。
肌にまとわりつかず、光の加減で黒が掠れたようにも見えるリネン特有の面がどんな服にも相性は良いと安心感さえ覚える。
白Tにサンダル、黒のリネンスラックス。
開襟シャツに、革靴、黒のリネンスラックス。
夏に革靴を履く気にもならない。
そんな昨今の煩わしい夏日にも負けないイメージを膨らませてくれる質感が、これにはあります。
このまま色を保つようにメンテナンスをするのも有り、一方でガンガン洗いをかけて経年した色味を楽しみアンティークリネンを目指すのも間違いなく素敵です。
良い土台のパンツは、どう扱おうとも、それほど下手なことにはならない。
有り難い事に、これまでも多くの反響をOSAKA SPECIALは頂いてきました。
そんな期待に応えられるように多くの量を仕込み、展開する事が出来ないのも申し訳の無い気持ちでいっぱいですが、本作も限定生産のため数に限りがあります。
毎度、今季は何を作ろうか。何が出来るか。
そんな事を頭に巡らせながらもアーカイブに目を向けて、過去の生地も、最新の生地とも向き合う時間が好きで堪らないです。
と同時に、それほどゼロベースから生地を作り、糸の撚糸回数や、紡績の段階からレシピを頭に描き、生地作りを生み出すZUKIさんの凄さを毎度感じています。
ZUKIさんが作ってくれたこの生地を持ってして、私が描くイメージに振り、カタチに出来たら…。そこにスタイルを見出して今回も完成されたトラウザーに磨きをかけました。
夢中になる事。
それがどれだけ強い事か。
足を通された方の大半が満足してくれ、このシルエットはとても良い。
普遍的なんだけど、そこが良い。
最近は、これしか履いていない。
そんな声を多く頂く。
トレンドよりもスタイルを求めて、季節が巡るたびに、デザインの変化を求めず、履き慣れた形で、季節を感じる素材で付き合っていく。
洋服選びに時間をかけるような事はしない。
これがあれば大丈夫。
それだけ、私はこのトラウザーに夢中である。
山内
OSAKA DRESS TROUSER は6/7(土)にNigel Cabourn ルクア大阪店で数量限定で発売予定です。
発売前のご予約も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
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Nigel Cabourn THE ARMY GYM ルクア大阪店
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