今回は熱量多め、知識マシマシ、内容濃いめで行かせていただきます。
40'S US クリップジャケット / 40's US CLIP JACKET
Item No. 80390030050
Colour : Khaki / Navy
こいつを語るとなると相当な時間を要してしまいます。しかしながら今回は語らせていただきます。正直めちゃくちゃ長いです、、、
是非最後までお付き合いいただければと。
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本製品はDECK JACKET(デッキジャケット)と呼ばれるアイテムになります。
DECK JACKETとは空母に乗艦する兵士が甲板の上で作業をする際に着用していたミリタリージャケット。
甲板での作業は常に冷たい海風にさらされていたため、高い防寒性を必要とされておりました。
数多くのDECK JACKETが存在しておりますが、本製品は下記の2つのDECK JACKETを折衷したデザインとなっております。
① N-1 DECK JACKET
② DECK HOOK
まずは①から。
DECK JACKETの金字塔として君臨するのが『 N-1 DECK JACKET 』
私がオリジナルを所有していないためNigel氏のInstagramから画像を拝借。ご友人が着用されているジャケットが N-1 DECK JACKETになります。
米国海軍が第二次世界大戦から朝鮮戦争時にかけて採用をしたジャケット。正確には"N-1デッキシステムの中の1つとしてカウントをするジャケット"になります。ややこしいですよね。
N-1は単品の名称ではなくジャケット、トラウザーズ、帽子、ブーツ、ゴーグル等の全てのアイテムの総称を指します。意地悪な人にしか突っ込まれないかと思いますが正式にはそのような扱いとなっております。N-1デッキシステムのジャケットと呼ぶのはややこしいので、以下よりN-1と呼称させていただきます。
ここからは本製品の画像を織り交ぜてご説明させていただきます。
N-1の生地の特徴としてはジャングルクロスと呼ばれる撥水性、防風性のある太い縦畝の生地を表地に採用、裏地には保温性に優れたアルパカウールのパイル地を用いておりました。
続いてはディテール。
目を引く小ぶりな襟は立ちやすくするための仕様。チンストラップも付属しており、寒風をシャットアウトしてくれます。
脇下のベンチレーションは蒸れを防止するために施されております。
袖口にはリブ、裾にはドローコードを配し寒風の侵入を防ぐように設計されております。
つまりは撥水性、防風性、保温性の三拍子を兼ね備えた作り。やはり屈強な肉体を持つ男達も寒さには勝てなかったんですよね、、、
ショート丈に設定している理由としては、甲板上で機敏に動くためです。
本当に考えられていますね、、米国軍の特筆すべき点はやはりこういった"機能性"なのではないでしょうか。ミリタリーファンを虜にするわけです。
そしてN-1には1944年モデル、40'Sモデル(1945年モデル)、50'Sモデルの3タイプが存在します。
【1944年モデル】
N-1の最初期モデル。Navyのボディに背面に"U.S.NAVY"のリフレクターが施されている個体が有名。
翌年の1945年にはボディがKhakiに変更されたためNavyのモデルは1年しか製造がされなかったため市場では枯渇資源として扱われております。
【40'Sモデル】
ボディがNavyからKhakiに変更。
最初期モデルと大きな違いはないが、度重なる改良が施されており、前期、後期と40'Sモデルの中でもさらに枝分かれされております。(後期は前期の無駄を削ぎ落としているイメージ。)
左手胸元に施されているU.S.N.のステンシルも特徴的。
【50'Sモデル】
ボディがKhakiからGreenに変更。
裏地に使われていたアルパカウールも資源削減のため、アルパカウールとその他のウールの混紡繊維に。
ジッパーもベル型から角型へ変更されております。
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簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。色で識別をするのが分かりやすいと思います。
名品であるが故に歴史がありますね、、、奥が深いですN-1。
続いては②。
1943年からN-1が製造される1944年までの約1年間だけ姿を表していたスペシャルVINTAGE。
『DECK HOOK』
M-1943とも呼ばれているかと思います。
こちらのオリジナルはNigel氏のヴィンテージコレクションを紹介している冊子から。
DECK HOOKには前身となるDECK ZIPが存在しましたが、海風、海水に含まれる塩分の影響で、ジッパーが錆びて稼働しにくくなるという観点かららフックタイプに変更されたとしています。
しかしフックタイプに変更をしたものの、結局錆びてしまいすぐにN-1が運用されるようになりました。
N-1からはフロントにZIPを配して、その上に前立てを付け、尿素ボタンでZIPを隠すデュアル式になりました。
こうすることで、ZIPの良さを活かしつつ、錆びを防止することに成功、長年運用されるようになったわけです。
しかし、HOOKからN-1に移行するまでの期間があまりにも短いので、恐らくHOOKが運用される前にN-1はある程度構築されてたという話もあがっております。
海軍の資料はほとんど残っていないため、一部のガチコレクター達が意見を出し合って憶測していることが多いらしいです。
私も米国軍マニアの友人から色々と勉強をさせてもらっています。
N-1と異なる点としては表地は同じジャングルクロスなのですが、裏地がアルパカではなく、ウールブランケットを採用。そして表地と裏地な間にレーヨンを一枚かませ、防水性を付与しておりました。
保温性、防風性という観点から見るとN-1の方が高いですが、防水性はDECK HOOKの方が優れていたのではないでしょうか。
なんといってもDECK HOOKの最大の魅力はやはり面の良さ。男心をくすぐるフックは勿論のこと、卵型のパッチポケットは40年代前期にしか採用されていないレアなディテール。爆裂にかっこいいです。
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説明が長くなってしまいましたが、 この2つのDECK JACKETを折衷したのが我らがNigel Cabournの"40's US CLIP JACKET"になります。
N-1のデザインの上からDECK HOOKのフックとパッチポケットを上乗せ。いいとこ取りの激渋の仕様。
目の付け所が変態ですよね。フックに関しては、現代では塩分によって錆びることはないのでかっこいいというメリットしか残りません。
パッチポケット、スラッシュポケット両方を採用しているところも、えげつないくらいにイカしてます。
いいところだけ掛け合わせるとデザインが渋滞してしまいがちですか、本製品は全く違和感がないのが秀逸さを物語っております。あたかもずっと前からいましたよ?って表情をしているんですよ。
このショールカラーとクリップのコンボはVINTAGEには存在しないですからね、、(私が知らないだけかもしれませんが、、、)
このジャケットはくたっくたになるまで育てたら完成するのではないでしょうか。アメカジ、バイカー、ミリタリー、アウトドア全てのシーンで着用できる汎用性の高さも魅力の1つ、洋服好きの方には堪らない1着でしょう。
Nigel氏本人も愛用しており、その良さは折り紙付き。
私はNigel Cabournのアイテムの中でも1番『すげーな』と思ったなはこの40's US CLIP JACKETかもしれません。
2019年以降は製造をしていないため在庫に限りがあります。
FLAGSHIP STOREでは下記の4点のみご用意をしております。
Khaki : 46×1 / 48×1
Navy : 48×1 / 52×1
ONLINE STOREでの取り扱いはなく、全店でもここまで展開をしているのは当店のみとなっております。
米国海軍最高傑作である2つのアイテムを折衷した40's US CLIP JACKET。Nigel Cabournの”本気”が感じられる一着となっております。サイズ感等気になる方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
皆様のご来店、ご連絡お待ちしております。
今
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