HANDLER NAKAJIMA

2021.06.18

 

ハンドルミシン刺繍。ナイジェル・ケーボンのアイテムに過去何度も登場し、デザインのクオリティーを上げてくれている、この技法。

このハンドルミシンについて少しだけお話ししたいと思います。

まずは、ナイジェル・ケーボンに技術を提供してくださっているhandler Inc. 中島氏の手ハンドル刺繍への想いをご紹介。

手作業で作られた刺繍というのは、独特な味【アジ】が生まれ、今ではVintage【ヴィンテージ】 刺繍と扱われて、大変重宝されています。 しかし今ではVintageと呼ばれる50年、60年前(年代を特定する物ではありません)に使われていた ミシンは、やがて職人の手を離れ、作業は人からコンピューターミシン【ジャガードミシン】へ移行してゆきます。

戦後の景気を追い風にどんどん進化していく、コンピューターミシン。手間と時間がかかる手作業のミシンはクオリティーの低い商品と扱われ、衰退していきました。

そこでhandler Inc.がとても憂えたのは、職人の減少に伴って今重宝されているVintage刺繍が、1970年代以降はほぼ生産されていないことでした。(Vintage刺繍の空白時代と考えています) つまり今までは職人が一枚一枚、長年培った技術を屈指して作った刺繍をVintageとして重宝した物が、 これからはジャガードミシンで生産された刺繍を、今後はVintage刺繍として扱われることが、とても虚しく思えてしまったのです。

handler Inc.は「本物の50年後のVintage刺繍」と大事にされる物づくりを大事にしてゆきたいと考えております。

handler Inc. ナカジマユウイチ(HANDLER ONLINEページより一部抜粋)

 

 

 

日本でも数少ない職人の一人である、中島氏。一部抜粋ですが、ナイジェルもヴィンテージというのもを愛する一人として応援しているかと思います。もちろん、我らスタッフも。

 

中島氏が操っているハンドルミシンとは、刺繍のチェーンステッチを再現するミシンですが、ただ真っすぐチェーンステッチを施すだけでなく、

本体下部にあるハンドルを操作して360度自由に方向転換できる優れもの。

ペダルでスピードコントロールしながらハンドル操作を行うことで、まるで絵を描くかのようにチェーン刺繍が施せます。

こちらがテーブルに取り付ける前のミシン。1920年ぐらいに発売された物だそうです。もしかしたら、見覚えある方いるかもです。NIgel Cabourn THE ARMY GYM TOKYO FLAGSHIP STOREで行われたイベントはこちらのミシンを使っていました。他にも下の写真など数台お持ちでいずれも歴史あるミシンです。

このミシンでは、チェーンステッチ刺繍、シニール刺繍と呼ばれる刺繍ができます。

チェーンステッチは、みなさん身近なものですとデニムの裾口です。見ると輪っかが連なっているような縫い目があると思います。その輪っかの大きさを変え、幅を調整していくことで刺繍となっていきます。

※裾上げのチェーンやワークシャツの袖や脇を縫製するチェーンは同じ環縫いではありますが、厳密には違うミシンです。

 

チェーン刺繍はミシン台の下から糸を引き上げ刺繍していきます。なので縫い始めが生地裏にあり、終わりが表になります。縫い始めはほどけないのですが、終わりの処理がされていないと一本につながった刺繍は一気にほどけていきます。

終わりの始末は手作業です。

ハンドル物(ハンドルミシンで作る仕事)は、つながった柄がいいとされる理由はここにあります。一つ一つ孤立している図柄になると、それに対する処理が発生するため作業時間が大幅に変わってくるためです。

 

次にシニールはサガラ(相良)刺繍とも呼ばれます。

もこもことしているワッペンなど見たことがあるかと思います。あれがシニール刺繍。

このシニール色々な技法があり、職人で縫い方が違うことも。イメージとしては輪っかが立体的になるように縫っている、という感じでしょうか。素人目線な表現なので厳密にいうと違うのかと思いますが、これが非常に繊細な刺繍。

※かぎ針で下から上糸を引き上げ針から糸を外すと糸が直立します。それを密集させたものがシニールです。

 

この生地から出ている輪っか。実はピンセットなどで引っ掛けるとすぐにほどけてしまいます。しかし、糸同士が隙間なく縫われることで、一つの輪っかだけ引っ掛ける、という状況をなくしています。そうすることで、このもこもこした刺繍が出来上がるのです。

 

 3月末に、中島氏の工房がオープンしました。

HANDLER Inc. 工房

群馬県桐生市末広町1-15

今後、ワークショップやCafeの開業も検討中とのこと。同時にミシンの従事者も育てていきたいそうで、是非技術を継承していっていただきたいです。

 中島氏のブログ・SNS

HANDLERのブログ】【インスタグラム

 

ナイジェル・ケーボンではハンドルミシン刺繍のアイテムを見ることができます。心惹かれた方はぜひ工房や注文で実物を手にしていただけたらと思います。

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