【ナイジェル・ケーボン】MAN / ウォッシャブルウールソックス
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アイボリー / F
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キャメル / F残り1点
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オレンジ / F
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ダークネイビー / F残り1点
ウールは伸縮性に優れ、ふわりとした嵩高感が空気の層を保持するため暖かな保温性にも優れています。これは羊毛がふたつの微妙に異なるコルテックスというタンパク質がタテ方向にねじり合 いながら張りつき一本の毛になっている事に由来します。片方は柔らかく水を吸いやすいのですが、 もう片方は硬く水をはじきます。ヒトにも癖毛があるのはこの為であり、濡れるとますますカールしてしまうのもこのためです。
また、ウールにもキューティクルと呼ばれる鱗が毛の表面を覆っています。水分を含んだウールはキューティクルが開き、お互いが矢尻と矢尻が噛み合うように引っ掛かり合います。そして乾くと閉じるため強固に固まります。なおかつキューティクルには方向性があり、絡み合ったものはお互いにより深くお互いに入り込む事になり、方向性があるが故に、お互いがゆるむ方向、すなわち絡み合いが外れる方向には進みません。
ウール製品を洗うと縮みやヨレが生じてしまい、洗った後にいくら引っ張っても形がに戻らないのはこのためです。
最新のケミカルな加工技術を駆使して洗えるように仕上げたウール製品も存在します。キューティクルを薬剤で溶かして除去したり、表面を樹脂で固めてツルリと仕上げて引っかかりをなくしたりする技法です。表面に綺麗なテカリのあるしなやかな梳毛(そもう)は元々の素材感をあまり損なう事がありませんからこうした加工で洗えるようにする事は好都合と言えるでしょう。フラットな生地感を持つウォッシャブルスーツなどがその好例です。しかし、ハリスツイードに代表されるような重厚感、厚みのある紡毛(ぼうもう)は、まさにねじれ、絡み合うウールの特性をそのまま現したようなものなので、それをウォッシャブルにするのは不可能と思われてきました。 そこで私たちはウールの品質そのものに着目しました。ウール短繊維のチョイスとそのブレンドで す。それはいわばコットンとウールという短繊維の違いはあれ、定番オックスフォードシャツを生み出す根源として、糸を構成するコットン短繊維のチョイスとそのブレンドから始めたという手法と同じであると言えるでしょう。
もちろんウール短繊維の種類は星の数ほどあり、そのうちのどれを、どの割合で何種類ブレンドするのかとなると、正に天文学的な組み合わせが生じます。しかし私たちはそれに挑戦し、ついに洗えるウールの開発に成功しました。